「なんだ、アイツまた出てるのか」
「克彦くん?」
「ああ、若手のくせに前に出すぎだよなァ」
若手芸人特有の、カメラの前でガッついた振る舞いが俺はどうにも嫌いだ。
なかでも有村克彦──こいつは品のない下ネタですぐに前に出てこようとする。
それが変にウケてテレビでよく声を聞くようになった。
「んぁ……克彦君のトークっていつも下品ね。私も、ああいうのは嫌いかな……ん、ん……っ」
「基本、下ネタしかないからなぁ」
「もっと普通に話せばいいのに……んあっ!?」
「よし、耳障りな声は、こいつで口直しさせてやる……ほら、どうだい?」
「やだ、祐二さん……あん、ん、んっ……んんッ……」
「はぁぁ……あん、あん、あん……ッ!」
「あいつの声を聞きながらするのって、変な気分だな」
「もう……祐二さん……んぁあっ……!」
それが何を間違ったかお笑い芸人なんかになり、2、3年前から例のガッツキで頻繁に見かけるようになった。
事務所がデカいのか知らないが一発屋で消えることもなく、
今では下ネタトークが売りのちょっとした人気芸人だ。
「ほら、紫……」
「ん、あん……あ、あ、あ、祐二さん……ん、んっ……」
「ほら、ほら、感じるか?」
「はぁぁ……あ、あ、あ……ああっ!」


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